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2024/07/23 17:53

中学生の頃、学校ではワンピースの話題でもちきりでした。

なぜかというと、ワンピース前半のハイライトである「頂上決戦編」のピークを迎えていたからです。


そこで、当時14歳の桑宮君は考えました。

『ワンピースの単行本には「ウソップギャラリー海賊団」という読者の絵が掲載されるコーナーがある。』

『ここに載ったらチヤホヤされるかも...!!!』


名案です。桑宮君は保育園からくもんに通っていたので頭が良いのです。



そんなわけで、夏休みを利用してお家でセコセコとハガキを描くことにしました。

1枚はエースというキャラクター。

この頂上決戦編はエースの最期が描かれるワンピース前半の大ハイライト。

これなら大賞が取れるぞ!という傑作が仕上がりました。


「一応掲載の確率を上げるために2枚応募しとくか...」ということで、当時エースと並んで注目されていた白ひげというキャラをチョイス。


適当な白ひげのページを見つけて、それを模写しました。しかし、そのままだとアレなので特徴的なひげを眉毛に変更。

「白まゆ現る」とワンフレーズ添えて完成。



「まぁ悪くないな...」ニヤリと微笑みます。

翌日近所のポストに投函しに行き、「載った日にはクラスでチヤホヤ間違いなしやで!」と鼻息をフスフス言わせて掲載を待ちました

来たるワンピースの発売日。緊張の面持ちでページをめくりました。

まずは大賞のページをチェック


ない。


「いや、落ち着け…!!」

「他の大賞以外のゾーンに載ってるはずだ…!!」



あった…..!!!!!!!



「白まゆ」が。


「白まゆ」だけが。

愕然としました。


このコーナーではウソップ(尾田先生)からのコメントが載るんですが、

これがさらに追い討ちをかけるのです。

それがこちら。



一言「ん〜」


(ん〜)(ん〜)(ん〜)


脳内に「ん〜」がこだましました。

それと同時にクラスの女子にチヤホヤされる妄想が「ん〜」と音を立てて儚く散っていきました。

それからは、このことを家族にも友達にも言えずひっそりと胸の中にしまっておきました。

「ん〜」という形にみみず腫れした傷が少し癒えてきたある日。

父の書斎の本棚に目をやると、

僕が掲載されたワンピース61巻(だけ)が並んでいました。


思春期の僕は何も言えませんでした。


おしまい